なぜ短いほうがいいのか
日勤と夜勤の交代シフトで働く看護師にとって通勤時間はどれくらいが妥当なのでしょうか。理想は「20分以内」といわれていますが、そう考えられる理由について詳しく見ていきます。
「深夜の出勤・帰宅がしやすい」
職場によっては日勤だけでなく夜勤があったり、3交代制で夜遅く帰宅したりする場合もあります。終電を逃したら始発まで待たなければなりません。仮眠室で休憩することも可能ですが、それでは疲れを取ることはできないため心身への負担が大きくなります。また、終電に間に合わない場合はタクシーで帰宅する人もいますが、タクシー代は自腹になることが多くお財布への負担も相当なものになります。
しかし、家が近ければ終電や終バスの時間を気にしなくて済みますし、心身やお財布への負担も減らすことができます。
「ストレスの軽減につながる」
看護師は精神的にも大変な仕事です。勤務中は気を張っていることも多いため、家でリラックスするのはとても大切なことです。しかし、通勤時間が長ければ仕事以外のストレスを溜めやすくなりますし、積み重なると体調にも支障をきたしてしまいます。通勤時間が長い人ほど睡眠時間が短くなるといわれているため、長時間の通勤は心身の健康に悪影響でしかありません。通勤時間が短ければ短いほど、健康にもいいのです。
「仕事の生産性を高めるため」
日本の平均通勤時間は片道39分ですが、通勤時間が30分以内の人と1時間以上の人では、通勤時間が短い人の方が生産性が高いといわれています。例えば100人分のカルテを整理するとしましょう。通勤時間が短い人は3日ほどで終えることができますが、通勤時間が長い人は終えるまで10日ほど必要です。同じ内容でもこのようにかかる時間が全然異なります。
また、看護師は患者さんの看護や医師のサポートが主な仕事ですが、経験年数を積むにつれてそれらの仕事だけでなく後輩の指導や委員会への加入、勉強会の運営など様々な仕事も増えていきます。やるべき仕事が増えると残業も増えてしまいますが、通勤時間を短縮できれば生産性もアップするため全体的に見ると仕事量は減少しています。
「離婚のリスクを下げる」
スウェーデンのある調査によると、夫婦のどちらかが通勤時間が片道45分以上の場合とそれよりも短い場合では、通勤時間が長い方が離婚率が高いことがわかりました。通勤時間が短い人の方に家事や育児の負担がかかりやすく不満を持ちやすいこと、夫婦関係を維持するのに必要な時間が取れないこと、などが大きな理由でしょう。離婚率を上げないためにも通勤時間を短くすることを意識した方がいいでしょう。
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海外と日本の通勤時間の差
日本の平均通勤時間は片道39分で、世界で最も長い韓国の片道74分よりもはるかに短いです。しかし、東京や大阪などの都市部は交通網が発達し乗り換えも多いため、これよりも長くなる場合があります。